親と一緒に生前対策を相談したい|相談前に話しておきたいこと
生前対策の相談では、家族が先に制度を決めるのではなく、ご本人が「これからどう暮らしたいか」「誰に何を頼みたいか」を確認することから始めます。話がまとまっていなくても構いません。希望、不安、財産の概要をメモにしておくと、相談で必要な選択肢を比べやすくなります。
目次
最初に確認したいのは「本人がどうしたいか」
家族が心配して相談を考えた場合でも、生前対策の中心はご本人です。「家をどうしたいか」「今の暮らしを続けたいか」「将来、誰に支えてほしいか」など、ご本人の言葉を急がず確認します。
体調や判断能力に心配がある場合は、そのことも予約時にお知らせください。制度の利用には、ご本人の意思や判断能力の確認が重要です。
親子で話しておきたい5つのテーマ
これからの暮らし
自宅で暮らしたいか、住み替えや施設入所をどう考えているか。
頼りたい人
入院、介護、支払い、財産管理を誰に相談したいか。
財産の使い方
老後資金をどの程度確保し、家族への援助をどう考えるか。
不動産の将来
住み続ける、売却する、家族に引き継ぐなどの希望があるか。
亡くなった後の希望
財産の渡し方、遺品、葬儀、連絡してほしい人など。
一度で決めきれなくても問題ありません。意見が違う項目と、まだ分からない項目を分けておくだけでも相談が進めやすくなります。
相談前に作る「1枚メモ」
正式な財産目録でなくても、次の項目をA4用紙1枚ほどにまとめてみてください。金額が不明なものは「不明」と書いて構いません。
- 本人の氏名・住所・年齢
- 一緒に暮らす人と近くに住む家族
- 自宅・土地・賃貸物件の有無
- 主な預貯金・証券・保険
- 借入れ・保証・継続中の契約
- 年金など毎月の収入と主な支出
- 遺言書や過去の契約書の有無
- 本人の希望と家族の心配を別々に記載
通帳や権利証を家族が無断で持ち出す必要はありません。まずはご本人の了解を得て、分かる範囲を記録します。
家族が同席するときの進め方
ご家族が同席すると、日常の状況や将来の支援体制を共有しやすくなります。一方で、ご本人が家族の前では話しにくい希望を持っていることもあります。
遺言・任意後見・家族信託を一律に勧めない理由
遺言
亡くなった後の財産の渡し方などを示すものです。判断能力低下後の生活費管理を直接行う制度ではありません。
任意後見
判断能力が十分なうちに、将来の支援者と依頼する事務を公正証書による契約で定めます。任意後見監督人の選任後に効力が生じます。
家族信託など
財産管理の方法を契約で設計する選択肢です。財産の種類、目的、受託者、費用や継続管理を踏まえて検討します。
整理だけ行う
財産の一覧、連絡先、希望のメモを整え、今すぐ契約を作らない選択もあります。
制度ごとに目的と効力が異なります。複数を組み合わせる場合もあれば、話し合いと情報整理だけで足りる場合もあります。
司法書士への相談で整理する流れ
初回相談では、制度名を決め打ちせず、次の順に整理します。
税額の試算や税務申告は税理士、家族間の対立や交渉は弁護士の担当です。必要な場合は相談のタイミングをご案内します。
よくある質問と相談のご案内
相続の話から始めず、入院時の連絡先や通帳の保管場所など、日常の困りごとから確認してみてください。ご家族だけで相談し、話し方を整理することもできます。
契約で定めた財産管理には活用できますが、身上保護やすべての手続きを代替するものではありません。目的と財産に応じて他制度との違いを確認します。
任意の契約を進められるかは個別確認が必要です。ご本人の状態と必要な手続きを伺い、法定後見制度を含む選択肢を整理します。